自己紹介
須田 陽介 (Yosuke SUDA)
1979年 愛知県生まれ
2002年 愛知学院大学文学部日本文化学科卒業
私の書芸術への憧れは高校時代に始まりました。1979年に愛知県で生まれ、名古屋市の郊外で育った私は生きることが嫌だが死ぬのも嫌だという灰色の学校生活を送る高校生でした。その灰色の生活の中で私が授業を聞かずに毎日興味を持って眺めていたものがあります。教室に掲げられた禅宗のお坊さんの書でした。「この書は毎日見ていても見飽きることがない。自分もこんな瑞々しい書を書きたい。」8歳の頃から書道を習ってきた私は初めて芸術としての書に魅了され、大学では高木大宇先生の薫陶を受けながら書道を学びました。しかし、私が理想とする見ていて飽きない書を書くことができないまま卒業をし、就職をしました。それから10年間筆を持たない生活を送っていましたが、2011年のある日、2枚の写真が私の目に留まりました。ある方が野原元成先生の自然運筆法を受講する前と後に書いた書でした。「草野球の選手が突然メジャーリーガーになったような変化だ!自分もこの先生に習えば見ていて飽きない書が書けるかもしれない。」私は迷わず野原元成先生の一泊二日のスクールの門を叩きました。驚いたことにスクールの開始早々から考えられないほど良いものが書けました。初めて自分が書きたいもの、人に見てもらいたいものが書けた瞬間でした。どれだけ書いていても飽きることはありません。私のアーティスト人生が突如として始まりました。
私の書と抽象画は鍛錬をして機械のように利き手の右手を動かすことを目指すのではなく、左手・右足・左足・口でも筆を持ち、自分の中の自然にまかせてその時・その場の気を表現しています。また、現代書道の主流からは外れ、生活の場に飾れる小品を中心に発表しています。書(描)いたものを見た方が元気になり、自分もアーティストになれるかもしれないと思ってくださることを私は願っています。